研究課題/領域番号 |
05671524
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
高橋 常男 神奈川歯科大学, 歯学部, 助教授 (00130922)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1994年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1993年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 骨芽細胞 / 膜内骨化 / 多層膜構造物 / 脂肪滴 / 脂肪酸 / 微細構造 / 頭蓋冠 / マウス / 石灰化 / 多層膜構造 / 膜内石灰化 / 超微構造 / 膜性骨 / タンニン酸 / マラカイト・グリーン / 電子顕微鏡 |
研究概要 |
発育中のマウス頭蓋冠(頭頂骨)の骨芽細胞において、類骨に面する細胞形質膜上、または細胞間で前固定時のpHに依存して、多層膜構造物(MLS)、空胞状構造が出現、前者はイオン化脂肪酸(IFA)、後者を非イオン化脂肪酸(PFA)として両者を鑑別した。 以上、細胞外のpH依存性MLSについて、主として組織化学的方法でカルシウムイオンおよび多糖体などの検出を試みた。 1.カルシウムイオンの検出: NHA(n-n-naphthaloylhydroxyalamine-Na)のカルシウムイオンとの親和性を利用し、NHA-Caの沈澱形成を試みたが結果は不安定で、さらなる検討が必要と思われた。また、同様目的でグルタールアルデヒド・シュウ酸カリウム-オスミウム・アンチモン酸を用いた時には、アンチモン酸カルシウムの最終沈澱物は類骨に面する骨芽細胞の細胞膜上および空胞上および骨芽細胞内の脂肪滴周囲に反応所見が認められ、EDXによるカルシウム元素分析でもカルシウムが検出された。 2.多糖体の検出: 細胞外MLSと多糖体との関係を検索するため、通常二重固定後の超薄切片上で、過ヨウ素酸-チオカルボヒドラジド-蛋白銀による組織化学的多糖体の検出を行なった結果、MLS上に多糖体との反応産物である銀粒子の沈着物が観察された。 3.コレステロールの検出: 遊離コレステロール検出のためジギトニン含有の固定液を使用した。その結果、細胞外MLS上にはコレステロールジギトニン複合体の存在が確認された。 4.さらに、骨芽細胞の分泌物の1つとして細胞外にpH依存性MLSの存在を踏まえた上で、微細構造学的にカルシウム結合部位を確認する目的で、イオン化ランタン含有の固定液を使用した結果、ランタン沈着物は骨芽細胞の周囲、細胞間および細胞外MLSの周縁に観察された。また、EELSスペクトルでは周縁に一致して微量ではあるがカルシウムが検出された。 以上の結果から、生理的状件である弱アルカリ性条件下では細胞外MLSは類骨中においてカルシウムトラッピングとともに、多糖体、遊離コレステロールなどを含有する複合体であり、生理・化学的および形態学的観点から類骨中においては石灰化との緊密な関係が示唆された。
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