研究課題/領域番号 |
05671526
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
渡辺 是久 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (50084786)
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研究分担者 |
窪田 展久 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (20234495)
今井 善子 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (70232600)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | ヒト歯肉培養細胞 / IL-1 / 上皮性サイトカイン / レーザー顕微鏡 / 酵素抗体法 / 蛍光抗体法 / LPS / 歯周疾患 / 螢光抗体法 / IL-1alpha / IL-1beta |
研究概要 |
本研究では、ヒト歯周疾患罹患歯肉上皮におけるIL-1αおよびIL-1βの局在を明らかにすると同時に、ヒト歯肉初代培養細胞を用いて、各個体における歯肉上皮でのIL-1αおよびIL-1β発現の相違が歯周疾患の発症や進展、歯周疾患の病型の相違に影響を与える可能性について検討した。 ACAS570レーザーサイトメーターを用いた6歳から21歳の若年者10例の非炎症性歯肉から得られた培養上皮細胞の解析では、IL-1αの発現は10例全てに観察され、その発現細胞は1.34%から6.99%であった。10例全てにLPS刺激後のIL-1α発現細胞率の増加が観察され、LPS無刺激群のIL-1α発現細胞率と比較して1.34倍から3.44倍の増加がみられた。また6歳男性の培養歯肉上皮細胞ではLPS刺激によって23.31%と,他の9例と比較してIL-1αの発現細胞率の著しい増加がみられた。一方IL-1βは、10例全ての培養上皮細胞に発現し、その発現細胞率は1.47%から14.9%であった。LPS刺激によって10例中5例に1.43倍から2.8倍のIL-1βの発現細胞率の増加がみられた。しかし、IL-1α発現細胞率の著しい増加を認めた6歳男性を含めた他の5例の培養上皮細胞にIL-1β発現細胞率の増加はほとんど認められなかった。 以上の結果から、歯肉上皮細胞にIL-1αおよびIL-1βの発現が認めらること、同時に、その発現細胞率に個体差があり、LPS刺激によるIL-1α、IL-1βの発現細胞率の増加にも個体差が認められることから、従来機械的バリヤ-と考えられてきた歯肉上皮が免疫学的機能を有し、この免疫学的機能の個体差が歯周疾患の発症と進展あるいは発症した歯周疾患の病型の相違に影響を与えることが示唆された。
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