研究課題/領域番号 |
05671547
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
伊藤 忠信 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (00048274)
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研究分担者 |
斉藤 弘子 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (30124902)
村井 繁夫 岩手医科大学, 歯学部, 助教授 (70005057)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1993年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | alpha-シアロシルコレステロール / 唾液腺 / 唾液分泌 / モノアミン含量 / Ach・Ch含量 / ピロカルピン / レセルピン / フェニレフリン |
研究概要 |
細胞膜に存在するトランスグルタミナーゼ(TG)の活性変化が、細胞内の退行変性の過程を反映することが示唆されていることから、神経細胞の修復や可塑性に関与するらしいと考えられているalpha-シアロシルコレステロール(alpha-SC)が、障害された唾液腺細胞内のTG活性にどのような影響を及ぼすかが本課題の目的であった。しかし、本研究の経過の中で、唾液分泌調節機構に関与している自律神経系の障害が、薬理学的観点から、どの程度唾液分泌反応に影響するか、さらに、alpha-SCがそのような唾液分泌反応に影響するかどうか、また、唾液腺組織(顎下腺、舌下腺)中にモノアミン(NE、DA、5-HT)およびACh、Chの含有量がどの程度であるか、alpha-SCによってそれらが影響されるかどうかが問題となった。本研究においては、まずこれらの問題解決のためマウスを用いて検討され、以下の結果が得られた。 1)pilocarpine(0.8mg/kg、s.c.)誘導唾液分泌反応について。分泌反応増大に対してalpha-SC(1、10mg/kg、p.o.)はさらに増大を示した。reserpine(1mg/kg、s.c.)による除神経において、分泌反応増大に対してalpha-SCは抑制を、分泌反応低下に対してalpha-SCは増大に示した。atropine(5mg/kg、p.o.)連投による反応の感受性増大に対してalpha-SCは影響を示さなかったが、reserpine連投による感受性低下に対してalpha-SCは分泌反応増大を示した。 2)phenylephrine(5mg/kg、s.c.)誘導唾液分泌反応に対してalpha-SCは影響を示さなかった。 3)alpha-SCはマウスの体重および顎下腺、舌下腺組織重量に影響を及ぼさなかった。 4)alpha-SC(1、10mg/kg p.o.)は顎下腺、舌下腺のNE、DA、5-HT含有量には影響を及ぼさないが、ACh含有量を増大し、Ch含有量を減少した。このようなことはreserpine処置マウスでも同様の傾向を示した。 以上のことから、alpha-SCマウス唾液腺において、アドレナリン作働性よりもコリン作動性神経系に影響を与えて、唾液分泌調節に関与していることが示唆される。
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