研究課題/領域番号 |
05671563
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
篠原 光子 大阪歯科大学, 歯学部, 助教授 (40067187)
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研究分担者 |
尾形 圭五 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (30214000)
大浦 清 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (20131378)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1993年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 化学療法薬 / 白血球 / マクロファージ / ラット / 遊走能 / 貧食能 / 貪食能 |
研究概要 |
感染に対する宿主の防御機構の解明について、多くの研究がなされ微生物の排除に対し多様な生体因子が関与していることが判明している。感染症に罹患した場合臨床上、通常化学療法薬の投与を受け治療される。化学療法薬が、生体防御の第一線で働く多形核白血球やマクロファージ(Mφ)にどのような影響を与えるかを調べることは、実際の炎症の場での化学療法薬の有効性を考える上で非常に重要である。アンピシリン(ABPC),セフォチアム(CTM)、セファレキシン(CEX)、テトラサイクリン(TC)、アミカシン(AMK)、クリンダマイシン(CLDM)およびブレオマイシン(BLM)の7種類を実験に用いた。 各濃度を力価で1、10、100μg/mlとなるようにDMEMで調製して実験に使用し、Mφの遊走能、貧食能に与える影響について検討した。遊走能は、48ウエルケモタキシスチャンバーにより測定した。7種類の抗生物質は濃度依存的に走化性を抑制した。各々コントロールとの間には、有意差が見られた。ABPCの遊走能は、1μg/mlと100μg/mlの間でP<0.001で有意差が見られ、またTCの遊走能は、1μg/mlと100μg/mlの間でP<0.05で、10μg/mlと100μg/mlの間でP<0.02で有意差が見られた。またMφの貧食能に与える影響について、対照および各々の濃度の抗生物質との関係を調べた。 CTM、CEX、TC、AMK、CLDMおよびBLMは、Mφの貧食率と貧食度を濃度依存的に抑制した。特に抗癌性抗生物質のBLMは、他の抗生物質に比較して強い抑制を示した。ABPCは濃度依存的にMφの貧食率および貧食度を増加させることが判った。本実験に用いたABPC、CTM,CEX,TC,AMKおよびCLDMは、臨床使用濃度において、Mφの貧食能を低下させることから、臨床で使用する際には、患者の細菌感染に対する十分な注意が必要であると思われる。
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