研究課題/領域番号 |
05671584
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態科学系歯学(含放射線系歯学)
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研究機関 | 国立予防衛生研究所 |
研究代表者 |
岡橋 暢夫 国立予防衛生研究所, 口腔科学部, 主任研究官 (40150180)
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研究分担者 |
西原 達次 国立予防衛生研究所, 口腔科学部, 室長 (80192251)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1993年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 歯周病 / 若年性歯周炎 / A.actinomycetemcomitans / 多糖抗原 / 骨吸収活性 |
研究概要 |
我々は、若年性歯周炎の原因菌の一つと考えられているActinobacillus actinomycetemcomitansの菌体表層成分の生化学的、免疫生物学的解析を行ない、本菌の歯周病原性との関わりを調べた。若年性歯周炎に特徴的な症状である歯槽骨吸収に関連する現象である骨吸収に関して面白い知見が得られた。A.actinomycetemcomitansY4株全菌体から莢膜多糖を精製し純品を得た。この標品の骨吸収活性をマウス頭蓋骨を用いた器官培養系で調べたところ、25mug/mlで最も強い活性の発現が認められた。この結果から,莢膜多糖は既存の破骨細胞を活性化して骨吸収を引き起こす可能性が強く示唆された。次に、マウス骨髄細胞を用いて、Y4株莢膜多糖の破骨細胞形成能について検討を加えた。2.5mug/mlのY4株莢膜多糖をマウス骨髄細胞とともに8日間培養すると、多数の破骨細胞の形成が認められた。さらに、Y4株莢膜多糖による破骨細胞の形成はインドメサシンや抗インターロイキン1alpha抗体より完全に抑制された。しかしながら、抗インターロイキン1beta抗体では抑制効果は発現されなかった。今回の結果から、A.actinomycetemcomitansY4株莢膜多糖による骨吸収活性発現には破骨細胞の活性化のみならず、分化誘導をも含めた過程が深く関与していることが明らかとなった。さらに、A.actinomycetemcomitansによる骨吸収活性の発現にはインターロイキン1alphaやプロスタグランジンなどの炎症性メディエーターが重要な役割を果している可能性が示唆された。
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