研究概要 |
まず,電気的根管長測定について,基礎的に調べた.既に研究代表者によって開発されていた「ルートZX」の特性についてさらに検討を加え,超音波根管形成システムを組み合せたときに問題を生じないか調べた.「ルートZX」は,開発当初から超音波根管形成システムと組み合せることを考え,2つの測定周波数,フィルターの特性等を設計してあったので,超音波振動装置のノイズに影響されることが全くないことが分かった.また,他の様々な電気的根管長測定器の特性について,抜去歯根管模型などを用いて基礎的に調べた.その結果,それぞれの器械が様々な問題点を持つことが明らかになった. このようにして,世界で最初の,電気的根管長測定しファイルの先端の位置を常にモニターしながら超音波振動により根管形成できる「ソルフィーZX」がモリタ製作所と共同で開発された.この器械では,メーターパネル上で任意に設定された位置でファイルの超音波振動を停止することができる.ファイル先端の位置はメーターパネルとアラーム音で確認することができる.また,操作性をよくするためにメーターパネルだけを患者の胸の上に置くことができるようにした.また,この器械は電気的根管長測定器としても全く問題なく使用できることが明らかになった. これらの研究は,根管長測定しながらニッケルチタンファイルとエンジンで根管形成する新しいシステムの開発にそのまま移行した.この研究は,文部省科学研究費試験研究B「NT-fileとエンジンによる根管形成の自動化に関する研究」課題番号(07557122)によって賄われている.
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