研究課題/領域番号 |
05671595
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
伊藤 博夫 九州大学, 歯学部, 助手 (40213079)
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研究分担者 |
岡田 宏 大阪大学, 歯学部, 教授 (40038865)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 歯周炎 / Porphyromonas gingivalis / 多糖抗原 / モノクローナル抗体 / 熱ショック蛋白質(hsp) / 自己抗原 / 外来抗原 |
研究概要 |
〈I〉歯周炎患者の感染源特異的免疫応答 OPF18はPorphyromonas gingivalisに特異的な細胞表層抗原を認識するモノクローナル抗体で、患者血中にはOPF18に対する抗イディオタイプ抗体が誘導されていることが今までの研究から示唆されている。菌体の超音波破砕物から、OPF18に対するアフィニティークロマトグラフィにより対応抗原物質(OPF18-Ag)の精製を行った。種々の解析の結果から、抗原エピトープはN-アセチルグルコサミンを含む糖から構成されていること、OPF18-Agは菌体の外膜表層に局在することが示された。OPF18-Agに対する歯周炎患者および健常者それぞれ10名の血清抗体か測定した。全菌体を抗原とした時と比較してOPF18-Agを抗原とした場合は、より特異性高く患者を識別できる傾向が認められた。IgGサブクラス別に検討したところ、いずれの患者もIgG2抗体を保有していたが、その他のサブクラスに関しては患者間に著しい多様性が認められた。病期・病態との相関については例数がまだ少ないこともあって一定の傾向を見い出すには至らなかった。 〈II〉歯周炎患者における自己交叉反応性の誘導に関する研究 P.gingivalisから大腸菌hsp60に相当する分子量60kDの物質をATPアガロースを用いたアフィニティー精製と逆相HPLCにて単離した。このP.gingivalis hs60と大腸菌hsp60および結核菌の相同物質であるhsp65を抗原として患者ならびに健常者の血清抗体価をELISA法で測定した。大腸菌hsp60と結核菌hsp65に対する抗体価は相関する傾向を示したが、患者・健常者の群間で有意差は認められなかった。P.gingivalis hsp60に対していずれの被検血清も微弱な反応した示さず、また他菌のhspに対する抗体価と相関を示さなかった。歯周炎におけるP.gingivalisの感染に際してhsp60は主要抗原になっておらず、したがって本菌のhsp60を介して自己交叉反応性が誘導される可能性は少ないものと推察された。
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