研究課題/領域番号 |
05671601
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
和泉 雄一 鹿児島大学, 歯学部, 助教授 (60159803)
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研究分担者 |
浜田 義三 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (50253894)
久保 浩二 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (00234477)
瀬戸口 尚志 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (60206646)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1993年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 歯周病 / 好中球 / 細胞膜流動性 / 細胞外小胞 / リポポリサッカライド / 活性酸素産生 / 細胞機能 / 血管内皮細胞 / 歯周病関連細菌 / 走化能 |
研究概要 |
歯周病患者の好中球の細胞膜流動性を検討するために、歯周病関連細菌のひとつであるP.gingivalisのextracellular vesicle(ECV)を好中球に作用させ、活性酸素産生能、貧食能、スピンラベル法による細胞膜流動性を検討したところ、ECVは濃度依存的に有意(P<0.05)に好中球の活性酸素産生を抑制し、同様に貧食能を抑制する傾向がみられた。さらに、それは濃度依存的に有意(P<0.05)に好中球細胞膜表層(5-SAL)で流動性の低下を引き起こしたが、細胞膜深層(16-SAL)では流動性に影響を及ぼさなかった。これらの結果から、P.gingivalisのECVは好中球の細胞膜流動性および細胞機能に影響を及ぼしていることが明らかとなった。次に、培養血管内皮細胞を用いて、A.viscosusT14Vの両親媒性物質(AcA)による細胞膜への影響について検討を行なった。その結果、AcAは血管内皮細胞膜表層の流動性を上昇させていること、細胞膜表面と表層においてradicalを発生させることなどから細胞膜機能に影響を及ぼしていることが明らかとなった。さらに、好中球の機能低下が多くみられる糖尿病患者の歯周疾患に注目し、歯周疾患を持つ糖尿病患者と健常者の好中球について、活性酸素産生能、走化能、蛍光偏光解消法による細胞膜流動性の測定を行なった。その結果、糖尿病患者の好中球は健常者に比べ高い活性酸素産生が認められ、走化能、細胞膜流動性に関しては若干低下している傾向がみられた。次にP.gingivalis,P.intermediaからLPSを分離し、好中球に作用させ、活性酸素生産生能に及ぼす影響を調べたところ、活性酸素産生を上昇させる作用が認められ、糖尿病患者の方がその傾向が強かった。以上の結果から歯肉溝や歯周組織中に遊走した好中球の細胞膜流動性および細胞機能や毛細血管内皮細胞が歯周病関連細菌由来ECVやLPSによって影響を受け、歯周病の発症と進行に関与している可能性が示唆された。
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