研究課題/領域番号 |
05671671
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
辻 龍雄 山口大学, 医学部・附属病院, 助手 (70144954)
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研究分担者 |
佐々木 功典 山口大学, 医学部, 教授 (80116722)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1994年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1993年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | Immunohistochemistry / FISH / p53 / PCNA / DNA ploidy / oral tumor / Oral camcer / Immunohisto chemistry / chromosome 17 / p53癌抑制遺伝子 / 増殖細胞核抗原 / DNA aneuploidy / フローサイトメトリー / 免疫組織化学 / 口腔癌 |
研究概要 |
(1) p53は正常上皮でも検出されたが、扁平上皮癌組織で有意に発現され、DNA aneuploidy症例でp53、PCNAとも高い標識率を示すことを報告した。[日本口腔外科学会雑誌] (2)悪性唾液線腫瘍101例の23.8%にp53蛋白を検出し、その発現は唾液線腫瘍の型別に異なる結果を示すことを報告した。[日本口腔外科学会雑誌] (3) FISH法で17番染色体数を検出したところ、17番染色体の数的異常は正常細胞、良性腫瘍と比べ悪性腫瘍で高率であり、口腔癌の発生と関連があることを報告した。[Anticancer Research] (4)細胞外基質tenascinの発現様式を扁平上皮癌40例、唾液腺腫瘍40例で検討した結果、炎症や組織修復に伴って発現しており、従来の説のように癌組織に特異的な存在でないことを報告した。[日本口腔外科学会雑誌] (5)悪性唾液腺腫瘍101例で23.8%、良性唾液腺腫瘍60例で1.7%がp53蛋白陽性であり、PCNA陽性症例においてp53蛋白は有意に陽性(p=0.0074)であることを報告した。[Oncology Reports] (6) 唾液腺腫瘍45症例においてp53蛋白の免疫組織学的発現を検討したところ、p53蛋白陽性腫瘍周辺の正常細胞の細胞質に陽性を呈し、p53蛋白陰性症例では発現していなかったことから、p53蛋白の細胞質内発現は腫瘍化との関連が示唆されることを報告した。[Journal of Oral Pathology and Medicine] (7) 50例の扁平上皮癌、14例の白板症、11例の多形性腺腫を対象とした。PCNA標識率は良性病変よりも扁平上皮癌において高値を示し、p53標識率は喫煙者で高値であった。DNA polidy patternとPCNA標識率、p53標識率との間に相関性はなかった。p53陽性患者のPCNA標識率(52.3%)は、p53陰性患者(35.7%)よりも高値で、p53陰性患者の予後は陰性患者よりも有意によいことを報告した。[International Journal of Oral and Maxillofacial Surgery] (8) 11例の腺様嚢胞癌、8例の多形性腺腫、3例のリンパ節を対象として、3番17番染色体の数的異常の有無をFISH法を用いて検討した。染色体の数的異常は、腫瘍においてみられ、良性の多形性腺腫よりも悪性の腺様嚢胞癌において高率にみられた。さらに、17番染色体のmonosomyは、唾液線腫瘍に特異的である可能性があることを報告した。[Journal of Oral Pathology and Medicine] (9)白板症28例と扁平上皮癌15例で、PCNAとAgNORsは増殖能の有用な指標として用いることができ、PCNAは白板症の悪性化の予測因子であることを報告した。[Oncology Reports] (10) 17番染色体のmonosomyは、扁平上皮癌よりも良性の多形性腺腫および悪性の腺様嚢胞癌において有意に高率に発現しており、唾液線腫瘍に特異的な現象であることを報告した。[Oral Oncology]
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