研究概要 |
顎骨における放射線骨障害の原因を解明することを目的に、動物顎骨に放射線を照射し、骨細胞のviabilityの変化を検索した。体重300g前後のWister系ラットをネンブタール腹腔内注射により麻酔した後、固定台に固定し顎骨および頭部前方部に照射した。照射には^<137>Csを線源としたgamma線照射装置を用いた。照射は1回とし、線量は10Gy,20Gyおよび30Gyとした。なおその際、他の部分は被爆が最小限になるよう鉛で遮蔽した。照射後1週,2週で照射上顎骨を採取し、NADH-DP,NADPH-DPテトラゾリウム反応による酵素組織化学ならびにHE染色により骨細胞のviabilityを観察、評価した。その結果、10,20,30Gyの各照射量において照射後1週,2週ともに骨細胞の染色性の欠如あるいは明かな低下が認められなかったことから、この程度の照射では骨細胞のviabilityは傷害されないことが示唆された。今後、照射後1ヶ月、2ヶ月についても観察する予定である。
|