研究課題/領域番号 |
05671679
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
椙山 加綱 鹿児島大学, 歯学部・付属病院, 講師 (50124772)
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研究分担者 |
園田 悟 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (00197021)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 気管支ファイバースコープ / 気管内チューブ / 頭位変換 / 全身麻酔 / 片肺腫管 / 偶発的脱管 / 気管内挿管 |
研究概要 |
一般に口腔外科領域の手術の際には、気道の安全性を確保する目的で気管内麻酔が行われる。しかし、術中の頭位変換や開口器の装着などにより気管内チューブの位置が移動して、逆に気道の安全性が損なわれる可能性がある。このような頭位変換や器具装着に伴う気管内チューブの位置移動の程度を知ることはきわめて重要なことであるにもかかわらず、これに関する研究はあまりなされていない。そこで、われわれは、口腔外科手術を予定された成人患者60名を対象として、気管内挿管後に種々の頭位変換を行い、気管支ファイバースコープによるDounle Marking Methodを用いて気管内チューブ先端から気管分岐部までの距離を測定した。 その結果、1.気管内チューブの先端は前屈位では気管分岐部側へ20±6mm移動し、後屈位、回旋位および後屈回旋位では口腔側へそれぞれ25±6,8±4,27±6mm移動した。2.経口挿管群において後屈位でいつたん口腔側へ移動したチューブは、舌圧子を挿入することにより、逆に気管分岐部側へ33±11mm移動した。3.前屈位、後屈位および後屈回旋位におけるチューブ先端の移動は、頭位変換角度が大きいほど顕著であつた。一方、後屈舌圧子挿入時における気管分岐部側への変位は後屈角度が小さいほど著しかつた。4.らせん入り気管内チューブの先端は、前屈位および後屈位ではあまり移動しなかったが、後屈圧子挿入時には気管分岐部側へ著しく移動した。 以上のことから、前屈位では片肺挿管、後屈位ないしは後屈回旋位ではカフによる声帯圧迫や偶発的脱管、後屈舌圧子挿入時にはカフによる声帯圧迫、偶発的脱管および片肺挿管のいずれにも注意して気管内チューブを固定する必要のあることが明らかとなつた。また、われわれの考案した気管支フアイバースコープによるDouble Marking Methodは気管内チューブの固定位置を決定する方法として臨床上きわめて有用であると考えられた。
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