1.注水回路に逆止弁を内蔵し、オートクレーブに完全対応したハンドピースを主体に、シュミレーションによるハンドピースへの口腔細菌の付着実験を実施した。その結果、本装置では、ほとんど菌体付着は認められなかった。 2.歯科診療所において、同型のハンドピースを実際の患者の治療に使用し、使用後の滅菌操作も常法により実施することを依頼した。そして、一定期間後のハンドピースの汚染や劣化の程度について検討した。約3か月の連続使用(毎日、診療後オートクレーブによる滅菌を行った)により、細菌の残留は認められないものの、注水機能に若干の劣化が認められた。 3.歯科医師の感染防御に関する意識を知る目的で、全国の歯科医師を対象「エイズと歯科医師に関するアンケート調査」を実施中である。現在、中間集計の段階であるが、我国の歯科医院においては、“サックバック防止機構付きハンドピース(オートクレーブ可能)"を具備しているケースは予想をはるかに下回ることが明らかとなった。そのため、本実験計画にサックバック防止機構を持たない(口腔内細菌のサックバックの可能性のある)ハンドピースについても検討する必要が生じた。
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