研究概要 |
我々が開発した新規還元的アニュレーション(J.Org.Chem.1992,2888)の一般化と天然物合成への応用を目指し、題記反応を検討した。まず、1及び5種の4の末端ビス共役エステルを調製した. 次いで、ハイドライド試薬としてL-Selectrideを用い1に還元を開始反応とするマイケル反応による環化反応を行ったところ、cis-体2及び3が得られ、5員環形成においては収率及び位置選択性について好結果を得ることが出来なかった。次いで、5種の4に3種のホウ素ハイドライドを用いてアニュレーションをおこなった.表に示したようにハイドライド(LiBR_3H)のRの種類により環化体の立体化学が微妙に変化し、また,環化反応の基質である末端ビス共役エステルの構造において,R^3がH(無置換)のときはcis-体が、R^3がメチル基の場合にはtrans-体が得られ、ホウ素ハイドライドを使いわけることにより、立体選択的合成法となり得ることが判明した。以上の結果は日本薬学会第114年会(平成6年3月30日)で発表の予定である.さらに本反応の選択性発現の機構は検討中である.
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