研究課題/領域番号 |
05671749
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大塚 雅巳 京都大学, 化学研究所, 助教授 (40126008)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ブレオマイシン / 酸素活性化 / ヒドロキシルラジカル |
研究概要 |
制癌性抗生物質ブレオマイシンはそのピリミジン部位で鉄錯体を形成し、分子状酸素を活性化する。研究代表者らはブレオマイシンによる酸素活性化における複素環の役割に着目し、ピリジンを中心に2個のイミダゾールを対称的に配した化合物を設計した。 はじめ2,6-ピリジンジカルボン酸の両側に2分子のヒスチジンメチルエステルをペプチド結合で連結した化合物HPH-Pepを合成したところ、この化合物は酸素を活性化しなかった。そこで次にHPH-Pepのペプチド結合部分を二級アミノ基に置き換えた化合物HPHを合成した。HPHのFe(II)錯体を用いたESRスピントラップ実験の結果、わずかではあるが酸素が活性化されて生じたヒドロキシルラジカルのスピン付加物のシグナルが認められた。ここに還元剤を加えるとシグナルが大幅に増大し、HPHのFe(II)錯体により酸素が触媒的に活性化されることが明らかになった。そこで、この酸素活性化能力をさらに増強させ、配位子の構造の最適化をはかるため、ピリジン核上に電子供与性のメトキシル基およびジメチルアミノ基を導入したMeO-HPH、Me_2N-HPHを合成した。MeO-HPH、Me_2N-HPHのFe(II)錯体の酸素活性化能力はそれぞれ無置換のHPHの場合の約5倍、約8倍に増強されていることがわかった。 このように、研究代表者らはブレオマイシンの金属結合部位基づい酸素活性化分子の設計と合成に成功した。さらに酸素活性化能力の有無はピリジン核とヒスチジン部分をペプチド結合で連結するか二級アミノ基で連結するかに依存しているという知見が得られた。
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