研究概要 |
「特異なスピロ構造を持つ制ガン性抗生物質フレデリカマイシンAの合成研究」の研究課題のもとで2年間の研究を行い,以下の研究成果をあげた. 1)ベンズアミド類のリチエーション反応を基盤としてジメチルフタリド-3-ホスホネート誘導体の位置選択的かつ簡便な合成方法を確立した. 2)ジメチルフタリド-3-ホスホネート誘導体の有機合成化学への高度利用,Wittig-Horner反応とAnnulation反応,を行った. 3)ジメチルフタリド-3-ホスホネート誘導体とアルデヒド及びケトン類とのWittig-Horner反応の精査を行い,生成する3-イリデンフタリド類の立体化学を明かにした. 4)上記Wittig-Horner反応を利用し,天然に存在する種々の3-イリデンフタリド類の簡易合成法を確立した. 5)ジメチルフタリド-3-ホスホネート誘導体と1-インダノン類とのWittig-Horner反応を鍵反応としたフレデリカマイシンAのBCDE環スピロ部分の簡便な合成方法を開発した. 6)ジメチルフタリド-3-ホスホネート誘導体のAnnulation反応を利用しベンゾフタリド-3-ホスホネート類の新規合成方法を開発した.さらに,これを利用しフレデリカマイシンAのABCDE環部分の合成に成功した.
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