研究概要 |
近年、私達は多くのマメ科生薬の成分を検索した。そして、鶏骨草から10種、葛根から8種、広豆根から5種、鶏血藤から6種、さらにAstragali Semen,Robinia pseudo-acacia,Medicago polymorpha,Eclipta alba,Rassel Lupine,Pachyrhizus erosus等から多くのオレアネングルクロナイドを得、それらの化学構造を明らかにした。まめ科植物には、普遍的にオレアナングルクロナイドが含有され、それらの化学構造の特徴は、非糖部はオレアネントリテルペンで、従来多く知られるのは同じトリテルペンでも28位はカルボン酸ではなくメチル基になっているタイプであり、鎮咳作用や去痰作用を有する。私達の得た新しいタイプのトリテルペン配糖体は、従来余り知られず、数多くの新しいこの種の例を提示した。一方、糖部は、多くは末端がラムノースであり、次にガラクトースが結合し、非糖部側にはグルクロン酸が結合する。このパターンが最も多く、特徴とされるところである。ところで、マウスを用いての薬効評価であるが、非常に良好な成績を収めた。試験は四塩化炭素を用いる反応であるが、ラジカルスカベンジャー作用が有り、配糖体の糖部を切ると活性は無くなり、配糖体の非糖部はソホラヂオールが活性が強い傾向にあることが判明した。此の作用はグリチルリチンに劣るものではなく、12位にカルボニル基が無いので、むしろ副作用も無いことが期待できる。
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