研究課題/領域番号 |
05671786
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理系薬学
|
研究機関 | 京都大学 (1994) 岐阜薬科大学 (1993) |
研究代表者 |
加納 健司 京都大学, 農学部, 助教授 (10152828)
|
研究期間 (年度) |
1993 – 1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1993年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | 酸化銅修飾電極 / 糖 / 多電子酸化 / 高感度検出 / 電極触媒 |
研究概要 |
1.電極表面を酸化第二銅で修飾すると、糖類は強塩基性条件下で効率よく酸化されることを明らかにした。この反応にはより酸化の進行したCu(III)と酸解離したアルコール性水酸基との複合体形成が重要であることが示唆された。こうした酸化銅による触媒的酸化反応により、グルコースの場合12電子酸化され、ギ酸となることを明らかにした。酸化銅はこの多電子移動を効率よく触媒するので、糖類の高感度直接検出に用いることが期待される。さらに、副生成物が少なく、それによる電極過程の吸着阻害がないため定電位アンペロメトリーへの適用に相応しいものであることを明らかにした。 2.銅電極ならびにその酸化処理による糖酸化活性能の変化に関して詳細に検討した。その結果、(1):十分に研磨した銅電極は、糖酸化活性能を有しない、(2):電解酸化により銅表面上に亀裂が生じ、そこに酸化第二銅の微結晶が析出し、このミクロ構造は、ある程度電極内部にまで発達しており多少の研磨では除去出来ない、さらに(3):電解酸化電極を穏やかに研磨後、100℃で空気酸化すると、光沢のある酸化層が形成され、電解酸化処理電極と同等の糖酸化活性を発現することを見いだした。 3.2-(3)の方法で作成した電極をHPLC法に適用した結果、グルコースに対して100フェムトモルオーダーまでの検出限界を達成した。これは糖の直接的検出法に関する報告を見る限り最高感度である。また、電極の安定化に要する期間も従来の1/10以下になる長所もあることを見いだした。さらに1ヶ月の長期連続使用に対しても、大きな感度の低下が認められないことがわかった。 4.今後の問題点として、(1)酸化銅による糖酸化触媒反応の素反応過程の解明、(2)酸化銅電極表面のミクロ構造のキャラクタリゼーション、(3)オリゴ糖に対する高感度検出への改良、(4)アミノ酸等妨害物共存下での選択的検出への改良等が挙げられる。
|