研究課題/領域番号 |
05671806
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
|
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
岡島 史和 群馬大学, 内分泌研究所, 助教授 (30142748)
|
研究分担者 |
正 公枝 群馬大学, 内分泌研究所, 教務員 (40201561)
近藤 洋一 群馬大学, 内分泌研究所, 教授 (70008598)
|
研究期間 (年度) |
1993 – 1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | ATP / プリン作動性 / アデノシン / TSH / DNA合成 / GTP結合蛋白質 / FRTL-5甲状腺細胞 / Hep G2細胞 |
研究概要 |
FRTL-5甲状腺細胞は甲状腺刺激ホルモン(TSH)に依存して増殖する。この作用はアデニル酸シクラーゼを活性化するフォルスコリンでも再現でき、cAMPを介した作用である。 一方、ATPは単独ではDNA合成を促進するがTSHと共存させるとTSHのDNA合成能を抑制した。このATP作用の解析の結果、ATPのDNA合成促進作用はおそらくホスホリパーゼC-Ca^<2+>系を介した作用であること、一方ATPによるDNA合成抑制作用はATPの分解産物であるアデノシンでも再現できた。したがってATPが細胞膜エクトヌクレオチダーゼによってアデノシンに代謝されA_1アデノシン受容体を介している可能性が示唆された。しかしアデノシン作用は百日咳毒素で完全に遮断されるのに対しATPのDNA合成抑制は毒素処理で一部しか抑制されず百日咳毒素非感受性の経路の存在も示唆された。我々はさらにヒト肝ガン細胞であるHep G2でも同様にATPのDNA合成活性を検討したところ、細胞密度に依存して作用を発揮することが明らかにされた。すなわち低密度ではATPは合成を高め、一方、高密度では逆に抑制する。この場合も抑制はアデノシンで再現できる。このように今回新たに2種の細胞においてATPが細胞増殖を抑制する活性があることが明らかにされた。我々の用いた細胞に関する限り、ATPそれ自身はおそらくP_2受容体を介して増殖促進に、一方、その分解産物であるアデノシンは逆に増殖抑制作用を有すると結論される。
|