研究課題/領域番号 |
05671839
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
永沼 章 北里大学, 薬学部, 助教授 (80155952)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | グルタチオン / gamma-グルタミルシステイン / gamma-グルタミルトランスペチダーゼ / gamma-GTP欠損症 |
研究概要 |
グルタチオン(GSH)をシステイニルグリシルとグルタミン酸に分解するgamma-グルタミルトランスペプチダーゼ(gamma-GTP)の欠損症患者の尿中に、GSHとgamma-グルタミルシステイン(gamma-GluCys)が高濃度に排泄されることが報告されているが、正常なヒト尿中にはほとんど排出されないこれらgamma-グルタミル化合物がgamma-GTP阻害時に尿中に比較的高い濃度で排泄される理由は全く解明されていない。そこでマウスを用いて尿中の低分子量SH化合物濃度に対するgamma-GTP阻害剤(acivicin)の影響を検討したところ、ヒトgamma-GTP欠損症の場合と同様に腎臓中のgamma-GTP活性の低下に伴うマウス尿中GSH及びgamma-GluCys濃度の著しい上昇が認められ、この方法でgamma-GTP欠損症病体モデルマウスの作製出来ることが確認された。この時、腎臓及びその他の組織及び胆汁中にはacivicin投与マウスにおいてもgamma-GluCysは殆ど検出されなかったが、血漿中には正常時でも極微量のgamma-GluCysが検出され、尿と同様にgamma-GTP阻害時にはGSH及びgamma-GluCys濃度の有意な増加が観察された。一方、gamma-GTPの競合阻害剤であるgamma-GluGluを用いて同様の検討を行ったところ尿中のGSH及びgamma-GluCys濃度の上昇は観察されたものの血漿中の両化合物濃度に有意な変化は認められなかった。従つて、gamma-GTP活性低下時に観察される尿中GSH及びgamma-GluCys濃度の増加は必ずしも血漿中濃度の上昇に由来するものではなく、その多くは腎組織中でのSH化合物の代謝系の変動によって説明されるべきものであると考えられる。
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