研究課題/領域番号 |
05671867
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医薬分子機能学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
増野 匡彦 東京大学, 薬学部, 助手 (90165697)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 固定化酵素 / 微水反応 / 芳香環水酸化 / チトクロームc / チトクロームP450モデル / チトクロームP450 |
研究概要 |
本研究課題では、固定化チトクロームcを酸化剤存在下(H_2O_2,mCPBA等)微水反応系に用いて芳香環水酸化など従来のP-450Mimicsでは効率の低い反応を検討し以下の成果が得られた。 (1)固定化チトクロームc/微水反応系における水の効果。mCPBAを酸化剤として水の添加量を種々変化させたところ、0.2%で触媒効率が最も高かった。水は酵素に水和し酵素のフレキシビリティを維持するのに必要であるが、多量の水は基質兼溶媒であるベンゼンと酵素の接触を妨げると考えられる。 (2)^<18>Oラベル酸化剤を用いた反応機構の解析。^<18>OラベルmCPBAを酸化剤としベンゼンの酸化を行なったところ生成物フェノールへの^<18>O導入率は約7割であった。またH_2^<18>Oを添加した反応系から得られるフェノールには^<18>Oはまったく入らないが、^<18>O_2存在化の反応ではフェノールに約3割の^<18>Oが導入されていた。以上の結果より、本反応系では約7割がP450と同様の反応機構で進行し活性種上の酸素がベンゼンに導入されることが判明した。他の3割に関しては分子状酸素から導入されるが、中間体としてベンゼンラジカルが生成している可能性が示唆された。 (3)ESRを用いた固定化チトクロームc活性部位ヘム環境の検討。固定化以前のチトクロームcは第5配位座にヒスチジンイミダゾール、第6配位座にメチオニンスルフィドが存在し、低スピン状態にある。固定化チトクロームcのESRを測定したところ、低スピンヘムは全く存在せず高スピンヘムに変換されていることが判明した。配位が弱いメチオニンスルフィドがはずれているものと推測され、ここに酸化剤が入り活性種が生成すると考えられる。 以上当初計画していた研究はほぼ終了し、ベンゼン水酸化効率が高いP450Mimics系が確立した。
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