研究課題/領域番号 |
05671871
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医薬分子機能学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤井 信孝 京都大学, 薬学部, 教授 (60109014)
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研究分担者 |
玉村 啓和 京都大学, 薬学部, 助手 (80217182)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1993年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 抗HIV活性 / tachyplesin / polyphemusin / T22 / β‐sheet / T細胞 / 液相合成 / AgOTf‐DMSO / HCl / AgOTf / DMSO / NMR / β-sheet |
研究概要 |
我々はカブトガニ血球より単離されたペプチドtachyplesinおよびpolyphemusinの構造活性相関により、強い抗HIV活性化合物T22を見い出した。その作用機序を解明し、新規な抗HIV剤を開発する目的で以下の研究を行った。 1.T22の立体構造解析 T22の高活性発現の理由を明らかにする目的で2次元NMRを用いて溶液中の立体構造を解析した。T22はtachyplesinIと同様にtype IIβ‐turnを有する逆平行β‐sheet構造を基本骨格としてとることが明らかになった。β‐sheetの平面から両側に配置している数個の官能基が活性発現に必須であると考えられた。 2.T22の作用機序に関する研究 T22の作用機序を分子レベルで解明し、T22の活性発現には細胞膜上のキラルな物質との相互作用が関与しており、細胞毒性は脂質膜透過作用と相関関係にあることがわかった。また、T22はT細胞に吸着し、この吸着活性と抗HIV作用は正の相関関係にあることが明らかになった。さらに、T22の吸着部位も推定された。 3.T22の液相合成 T22のin vivoでの活性及び毒性、生体内安定性の試験を行うには、T22を大量に得る必要がある。それゆえ、我々は液相合成によるT22のスケールアップ合成法を確立した。 4.位置選択的ジスルフィド結合形成法の開発 T22は分子内に2個のジスルフィド結合を有しており、その誘導体合成においてはこの2本のs‐sを位置選択的に架橋することが望まれる。我々は空気酸化法とAgOTf‐DMSO/HCl法により2本のs‐sを位置選択的に形成する方法を開発した。 5.T22の構造活性相関 4.で確立された方法を用いて種々のT22の誘導体を合成し、2.で得られた知見も参考にして各部位の活性および毒性に対する寄与を明らかにし、T22の作用機序解明に役立つ有用な知見を得た。 以上本研究で得られた成果は新規な作用機序を有する抗HIV剤の開発に有益な基礎的知見を提供するものと考えられる。
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