研究課題/領域番号 |
05671877
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医薬分子機能学
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研究機関 | 京都薬科大学 |
研究代表者 |
高田 寛治 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (30102106)
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研究分担者 |
吉川 由佳子 京都薬科大学, 薬学部, 助手 (30278444)
安井 裕之 京都薬科大学, 薬学部, 助手 (20278443)
喜里山 暁子 京都薬科大学, 薬学部, 助手 (00234401)
上田 千晶 京都薬科大学, 薬学部, 副手 (20247787)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1994年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | シクロスポリンA / 免疫抑制剤 / 分子修飾 / リポゾーム / リンパ組織 / 生体粘着性 / マイクロスフェア / リポソーム / リンパ系組織 |
研究概要 |
臓器移植後に使用されているCyclosporin A(CyA)やtacrolimus(FK506)はインターロイキン2(IL-2)の産生阻害によるhelper T cellの活性化の阻害というユニークな薬理作用機構による免疫抑制剤である。しかし、投与量に依存して腎毒性、肝毒性、中枢神経毒性などの副作用が臨床上問題となっている。また、CyAおよびFK506の物理化学的性質が、極めて脂溶性に富み、水に不溶性であるため、使用する剤型が制限されている。さらに、医療コストが高いなど様々な問題が生じている。そのため、必要最小限の免疫抑制剤の投与量で十分な免疫抑制効果を発揮し、かつ副作用を軽減するような剤形を開発する必要に迫られている。我々はCyAの標的細胞であるリンパ系細胞への送達を目的として各種のリポゾームを調製し、in vitroおよびin vivoの系において評価を行った。卵黄phosphatidylcholineに対しCyAを添加してリポゾームを調製し、さらに生体粘着性ポリマーであるCarbopol溶液にてリポゾームの表面のコーティングを行った。先ず、CyAの体内動態におよぼす影響では、CyA溶液に対しリポゾーム化、さらにCarbopolコーティング化により脾臓、肝臓等のリンパ系細胞の多く存在する臓器へのCyA分布に改善がみとめられた。次にラット異所性心移植モデル実験系において、移植心の生着日数を調べることにより、これらの製剤の有効性を薬効薬理学的に評価した。コントロール群の移植心の生着日数は約6.4日であったのに対し、CyA投与量が10mg/kgではリポゾームおよびコーティングリポゾームでは各々14.2日あるいは18.8日と有意な生着延長が認められ、リンパ系臓器への免疫抑制剤の分布増大によりCyAの効果増強が可能となることが明らかとなった。
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