研究課題/領域番号 |
05671884
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人類遺伝学
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
舟木 賢治 鳥取大学, 医学部, 助手 (90091579)
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研究分担者 |
押村 光雄 鳥取大学, 医学部, 教授 (20111619)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1993年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | Ekerラット / 遺伝性腎癌 / 子宮平滑筋肉腫 / MNNGによる形質転換腎上皮細胞 / 第5染色体欠失 / 第6染色体欠失 / IFNα領域の遺伝子欠損 |
研究概要 |
Ekerラット遺伝性腫瘍の原因遺伝子マッピングを目的として、このモデル系で発症した腎細胞癌と子宮平滑筋肉腫の染色体解析とDNA解析を行った。さらに、培養下で癌原物質(MNNG)によって形質転換した腎上皮細胞についても同様に解析し、それらの結果を比較検討した。 遺伝性腎癌細胞株(ERC)では第5および第6染色体の消失あるいは欠失が共通して認められた。しかし、子宮平滑筋肉腫由来の細胞株(ELT)ではそれらの変異は全く認められず、第4染色体の重複がすべての細胞株に共通していた。一方、MNNGで形質転換した腎上皮細胞株(TRKE)では、分析したすべての細胞株で第5、第20染色体が消失し、また、1細胞株を除いては第6第12、第15染色体が共通して消失していた。 DNA解析の結果では、ERCにおいて第5染色体のq31-33に存在するインターフェロンα(IFNα)領域の遺伝子欠損を高頻度に認めた。また、同様の遺伝子欠損はTRKEの1細胞株においても認められたが、ELTではまったくみられなかった。なお、この遺伝子領域はヒト染色体の9p21に対応しており、白血病、脳腫瘍などに関わる癌抑制遺伝子の存在が想定されている。 以上の結果から、第5、第6染色体の欠失はラット腎上皮細胞の形質転換に特異的であることが明らかとなり、これらの染色体上にラット腎細胞癌に関わる癌抑制遺伝子が存在することが示唆された。さらに、これらの変異は癌化のイニシエーターとしてではなく、多段階の発癌過程における二次的変異として癌の進行に関与しているものと考えられる。
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