研究課題/領域番号 |
05671886
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人類遺伝学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
遠藤 文夫 熊本大学, 医学部・附属病院, 講師 (00176801)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1993年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | tyrosinemia / gene mutation / gene structure / animal model / recombinant adenovirus / gene therapy / チロジン / 遺伝子 / 突然変異 / モデルマウス / HPD |
研究概要 |
本研究によって(1)遺伝性高チロジン血症I型原因遺伝子のクローン化、(2)本疾患での遺伝子の変異の解明、(3)本疾患で二次的に障害される4-ヒドロキシフェニルピルビン酸酸化酵素(HPD)の遺伝子構造の解明を達成した。また(4)高チロジン血症マウスにおける遺伝子異常の同定と、(5)その異常がチロジン代謝に与える影響について明らかにした。 これらの研究の結果、(1)遺伝性高チロジン血症のなかの1型と3型の原因遺伝子の構造を明らかにし、遺伝的異常を明らかにした。また(2)モデルマウスにおける検討を行うことで、肝細胞障害とチロジン代謝との関連を明らかにすることが出来た。すなわち、サクシニルアセトンに由来する低分子物質が、肝細胞特異的遺伝子発現を抑制し、これにより肝細胞分化障害され、肝細胞死が生じることが明らかになった。これらの結果をもとに、遺伝性高チロジン血症における肝細胞障害の機序を考えると、一つの仮説としてDNA損傷とそれに引き続く細胞内遺伝子調節の変化を想定することができる。 一方遺伝子導入による代謝補正の研究も進めた。HPD欠損症の遺伝子治療では、肝臓においてこの酵素活性の正常化を計ることが求められる。本研究者はヒトHPDを発現する組換えアデノウイルスを作成した。このウイルスを培養肝細胞に感染させることによって肝臓と同レベルのHPD蛋白の発現に成功した。その結果3型で欠損しているHPDを培養細胞で発現することに成功した。この研究の次の段階は、動物レベルで遺伝子を投与し、肝臓での酵素欠損の補正を検討することである。これら研究を進めることで、生体内での遺伝子損傷とその補正に関しての新しい研究モデルが確立出来るものと考えられた。
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