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病態時におけるα_1-酸性糖蛋白質の濃度変化とその生理学的・臨床薬物動態学的重要性

研究課題

研究課題/領域番号 05671891
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 応用薬理学・医療系薬学
研究機関北海道大学

研究代表者

井関 健  北海道大学, 医学部・附属病院, 助教授 (40203062)

研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1993年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
キーワードα_1-酸性糖蛋白 / 蛋白結合 / AAG測定法 / 心不全 / 心筋梗塞 / 循環器用薬 / ジソピラミド
研究概要

各種疾患の急性期や炎症の際に出現するα_1-酸性糖蛋白質(AAG)への薬物結合性を検討した結果、以下のことを明らかにした。
うっ血性心不全を始めとする心疾患患者、腎不全患者において血中のAAGは有意に増加し、その程度は病態の変化に伴い著しく変動することが明らかとなった。この血中AAG濃度の増大により、循環器治療薬であるdisopyramide(DPM)の血漿中蛋白非結合型濃度は減少し、薬物の体内動態や薬理作用発現過程に影響を及ぼすことが示された。また、AAG濃度の上昇に伴い単位蛋白濃度当りのDPM結合量は低下し、Scatchard解析の結果、病態による結合率の変動はAAGの結合部位での量的な変化に基づくことが確認された。
また、これらの結合性の変動は同一患者内でも病態によって大きく変わることが認められた。一方、各種心疾患時には血液中のシアル酸濃度も上昇し、心不全患者では発作時に、心筋梗塞患者では発作後5日目にそれぞれ最高濃度を示した。またAAGのシアル酸量とDPM結合率の間には負の相関傾向が認められ、本疾患時のAAG濃度の変動は、その量的な変化に加え糖鎖構造の変化等の要因にも起因していることが推察された。
さらに、AAGの血中濃度の上昇は、見かけ上何等症状を認めず、日常の社会生活を営んでいる成人男女においても認められ、測定対象者全員に健康診断を行った結果、高頻度(22.5%)に何らかの異常が示され、その割合は加齢とともに増加する傾向が認められた。これらのことより自覚症状のない潜在的な疾患においてもAAGは上昇していることが示唆された。
加えて、炎症の際のmediatorであるサイトカインを投与したとき、血中AAGは顕著に増大し、薬物の血中濃度推移は明らかに影響を受けたことより、各種炎症時の薬物体内動態についても、AAGとの蛋白結合を考慮して投与計画を行うことが必要であると考えられる。

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 野村憲和ら: "Altered alpha-1-acid glycoprotein concentration and free fraction of disopyramide in patients with heart failure" 臨床薬理. 25(印刷中). (1994)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

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