研究課題/領域番号 |
05671894
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松木 則夫 東京大学, 薬学部, 助教授 (70126168)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ストレス蛋白質 / 脳神経傷害 / 熱ショック / フェニトイン / ジアゼパム |
研究概要 |
中枢神経細胞は一般に分裂する能力を持たないため再生せず、その死はたちまち機能障害をもたらす。老化が進行した時やアルツハイマー病・ハンチントン舞踏病などの疾患時には神経細胞が変性・脱落していくが、神経細胞の死を防ぐ有効な手段は未だに開発されておらず、また神経細胞の死をもたらす原因の解明も遅れている。本研究はストレス時に細胞が発現する熱ショック蛋白質に着目し、神経細胞死とストレス蛋白質の関係を解析することにより、神経細胞死の機構の解明および細胞死を防ぐ手段の開発を最終的な目的とする。本年度はマウスに各種のストレスを負荷し、いろいろな脳部位におけるmRNAの発現をノーザンブロット法およびIn Situハイブリダイゼーション法を用いて検討した。誘導タイプのHSP70およびconstitutiveに発現しているHSC70の両者の比較も行った。(1)高温ストレス:脳全体特に小脳、海馬歯状回や手綱核での発現が多かった。(2)電撃痙攣:HSP70の誘導は起こらずにHSC70 mRNA量が1時間後をピークに上昇した。フェニトインは痙攣を強く抑制したがHSC70誘導は抑制せず、逆に痙攣にはあまり影響しなかったジアゼパムが誘導を強く抑制した。(3)薬物痙攣:ペンチレンテトラゾールではストレス蛋白質の誘導が起こらなかった。(4)脳損傷:中隔、海馬采および前脳基底部の電気凝固破壊を行ったが、やはり顕著な誘導は観察されなかった。以上より、神経興奮の程度に応じてHSP70ではなくHSC70 mRNAの発現量が変動することが明らかになった。今後は、中枢神経系におけるHSC70の生理的役割を追求していく必要がある。
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