研究課題/領域番号 |
05671905
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
安盛 俊雄 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70182350)
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研究分担者 |
小沢 正吾 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20185581)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 副作用 / 薬物代謝 / 個人差 / 酵素欠損 / 薬理遺伝学 / チトクロームP450 / メフェニトイン / 遺伝的多型 |
研究概要 |
薬物による副作用にはその薬物に対する代謝酵素の欠損が原因の一つとして関与していることが明らかにされている。本研究では日本人に代謝能の低い人(代謝欠損症の人)が人口の約20%と多いメフェニトイン(MP)とその関連薬物に着目してその代謝能の低下の原因を酵素のレベルで明らかにすることを目的として研究を行い、以下に示す結果および知見が得られた。酵素遺伝子の解析については健康志願者にMPを投与してその未変化体の尿中排泄動態を調べることにより代謝能の高いextensive metabolizer(EM)と代謝能の低いpoor metabolizer(PM)を同定した。そしてEMとPMの両者の血液よりゲノムDNAを調製した。調製されたDNAをテンプレートとしてMP水酸化酵素CYP2C9、2C18のDNAの各Exon領域が増幅されるようにPCR反応を行い、得られたDNAより塩基配列決定用のDNAを調製した。EMとPMのMP水酸化酵素の塩基配列の差異を同定する段階にまではいたらなかったが、研究は順調に進行しており、すみやかに研究の目的の達成はできるものと考えられる。MPの関連薬物の検索についてはジアゼパム(DZ)を検討した。DZの代謝はin vivoの実験からは主代謝経路はN‐脱メチル化であり、MP代謝の遺伝的多型と関連している可能性が示唆されていた。しかしin vitroの実験からはDZの主代謝経路は3‐水酸化であり、MP代謝の遺伝的多型とは関連性がないとされていた。しかし今回のin vitroにおけるDZの代謝実験では基質濃度の低い時、すなわち薬物濃度が生体内の濃度により近い時は主代謝経路はin vivo同様N‐脱メチル化であり、DZの代謝はMP水酸化の遺伝的多型、そしてMP水酸化酵素であるCYP2C分子種と関連していることが明らかにされた。
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