研究課題/領域番号 |
05671906
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
山元 俊憲 昭和大学, 薬学部, 助教授 (30112741)
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研究分担者 |
保田 晶子 昭和大学, 薬学部, 助手 (30260079)
船山 宣夫 昭和大学, 薬学部, 助手 (50245875)
清水 俊一 昭和大学, 薬学部, 助手 (60196516)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1993年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 血管内皮細胞 / 虚血再潅流 / 弛緩反応 / 一酸化窒素 / 過酸化水素 / 活性酸素 / 白血球 / 虚血再灌流 / 細胞障害 / 多形核白血球 / カルシウムイオン |
研究概要 |
本研究では、虚血再潅流における血管内皮細胞機能障害および多形核白血球(PMN)と血管との相互作用により弛緩作用はどう影響されるか、さらにPMNの放出する活性酸素(過酸化水素)が内皮細胞における一酸化窒素生成に如何に関連しているかについて検討した。1)ウシ大動脈内皮細胞の培養、2)活性酸素存在下で可能な一酸化窒素測定系の確立、3)腹腔内浸潤白血球の採取、4)cGMPの酵素免疫測定法、5)血管弛緩反応測定、6)ラットを用いた虚血再潅流モデル作成、以上の基礎的方法を確立し、以下の命題に関して研究した。 検討事項 1)活性化白血球処理血管における弛緩活性の変化 2)活性化白血球の産生する過酸化水素は、内皮細胞内における一酸化窒素生成に影響を与えるか。 3)虚血再潅流により血管内皮細胞依存性弛緩反応は影響を受けるか。 無刺激のPMNは摘出血管の弛緩活性を有し、これはPMN由来の一酸化窒素に基ずくと考えられた。さらに、fMLPで刺激したPMNは、摘出血管の弛緩活性を処置後15秒及び5分で有意に抑制した。この時、ニトロプルッシドで誘導した平滑筋自身の弛緩活性には影響がなく、血管内皮細胞内のcGMP産生が低下していた。また、fMLP刺激により同時に活性酸素を大量に産生していることから、PMNから遊離するNOが活性酸素により消去された結果と考えられる。このことから、白血球の活性化によりNOと活性酸素のバランスにより血管トーヌスが調節されていることが示された。 培養内皮細胞を過酸化水素(白血球が産生する活性酸素)を適用したところ、処置後1時間以内では内皮細胞内の一酸化窒素産生が一過性にに増加した。しかし、2時間後では細胞壊死に伴いNO酸性も低下した。 ラットにおける虚血再潅流モデルにおいて、虚血30あるいは60分後、再潅流5ないし15分で弛緩反応が強く抑制されたが、再潅流を持続することにより弛緩活性は回復した。弛緩反応の抑制は、白血球接着分子の抗体を共存させることにより遮断された。 白血球の活性化により、自ら活性酸素と一酸化窒素を放出し、この活性酸素が内皮細胞内での一酸化窒素生成を促進する。又、内皮細胞に接着した白血球は内皮細胞内に酸化的ストレスをかけると同時に、NO合成を促進的に働く因子とNO合成を阻害する反応がほぼ同時に進行している可能性が示された。
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