研究課題/領域番号 |
05671914
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態検査学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
舩渡 忠男 (船渡 忠男) 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (70165455)
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研究分担者 |
星野 敦 東北大学, 医学部, 講師 (60241600)
川村 武 東北大学, 医学部, 助教授 (80111277)
蝦名 弘子 東北大学, 医学部・附属病院, 文部教官講師 (70223667)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1995年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1994年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 抗癌剤 / 薬剤耐性 / アンチセンス / リボザイム / 大腸癌 / 白血病 / シスプラチン / シトシン・アラビノシド / サイトシン・アラビノシド / 結腸癌 |
研究概要 |
抗癌剤耐性獲得の問題は癌の診療において重要な課題である。その獲得機序解明を癌遺伝子発現の関与に着目して研究を行った。とくに、シスプラチン耐性について耐性株においてc-tos遺伝子の特異的発現増加を見出した。さらに、他の薬剤シトシンアラビノシド(AraC)およびアクチノミイシンD(AD)においてもシスプラチン同様、耐性株においてc-tos遺伝子発現増加を見出した。したがって、c-tos遺伝子発現が耐性獲得において重要な役割を演じていると考えた。そこで、c-tos遺伝子の微量定量法としてRT-PCR分析を検討し、c-tos遺伝子発現の程度と感受性の耐性度とが良く相関することを見出した。本法は薬剤耐性の早期診断法として期待され、その臨床的意義を検討中である。さらに、抗癌剤耐性を克服すべく、アンチセンス・リボザイムによる遺伝子発現抑制作用の有効性を検討してきた。その結果、前途のc-tos遺伝子を特異的に発現抑制するリボザイムにより、シスプラチンおよびAraC,ADの耐性の感受性が回復することにin vitro(培養下)で成功した。さらに、担癌マウスのin vivoに発展させるため、ウイルスベクターにリボザイムを挿入した系を開発し、担癌腫瘍における薬剤感受性回復を可能とした。これらの成果をもとに、本研究を遺伝子治療への応用に位置づけ、導入効率の点からウイルス感染系あるいはリポリーム系を検討している。そのため、レトロウイルス及びアデノウイルスの感染実験を準備中である。また、リボザイムによる耐性克服は癌遺伝子発現抑制から得られた成果であり、癌の制圧に応用可能かどうかin vitro及びin vivoにおいて他の癌遺伝子であるH-ras遺伝子に着目した。H-ras遺伝子に対するリボザイムは担癌マウス腫瘍を縮小させ、癌に対する遺伝子治療として期待される手法である。
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