研究課題/領域番号 |
05680024
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
家政学
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
磯田 則生 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (60016871)
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研究分担者 |
久保 博子 奈良女子大学, 生活環境学部, 助手 (90186437)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1993年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 高齢者 / 温熱環境 / 冷暖房器具 / 皮膚温 / 温冷感 / 温熱的快適感 / 推奨室温 / 住宅温熱環境 / 冷暖房設備 / 温熱的快適範囲 / 住まい方 |
研究概要 |
高齢者に対する温熱環境基準や好ましい冷暖房設備のあり方について提案するために、高齢者住宅を対象に温熱環境に関するアンケート調査、実態測定を実施すると共に高齢者を被験者に人工気候室実験により温熱環境要素の人体影響を測定し、総合的に検討した。 1.住宅温熱環境における青年・中年・高齢者の住まい方対応に関するアンケート調査では、住宅の熱特性や高齢者の体質・体格により冷暖房器具の使用や住まい方に違いがみられた。夏季には高齢者の方が他の年代に比べ着衣量が多く、冷房器具としてはクーラーより扇風機の使用率が増加し、睡眠時の使用は減少する。冬季には高齢者の着衣量が増え、高齢者・中年ではストーブが使用され、睡眠時には中年・高齢者で寝床内暖房器具の使用が増加し、特に高齢者で多く、トレイ回数も増加する。 2.高齢者住宅の温熱環境の実態測定では、冬季の温熱環境が悪く、暖房設備を改善する必要がある。夏季の居間の平均室温は29℃程度で、寝室では27℃であり、通風や扇風機の利用が多い。冬季の居間室温は15℃〜18℃と推奨室温より3〜5℃低く、寝室では8℃程度とさらに低く、着衣や炬燵で寒さに対応し、夜間のトレイ時には皮膚温が低下する。 3.高齢者・青年を被験者とした人工気候室実験では、高齢者の温熱環境に対する生理・心理反応の特徴を明らかにした。夏季実験では高齢者は青年に比べ躯幹部皮膚温が低下するが、末梢部の変化が少なく安定するのに時間を要し、気温や気流の影響を受ける。冬季実験では寒冷暴露時の高齢者の前額皮膚温が気温の影響により低下するが、下腿部では青年に比べ低下が少ないことから血管収縮機能の低下が示唆される。推奨室温としては夏季には26℃〜29℃で、室温30℃では気流が必要であり、冬季には21℃〜25℃の室温が推奨され、放射暖房方式が望ましい。
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