1 オカラテンペの調製 オカラのpHを5.4に調整しオートクレーブで滅菌した後Rhizopus oligosporusの胞子粉末を接種し32℃で24時間培養してオカラテンペを調製した。 2 フィターゼ粗酵素の抽出 オカラテンペーからアセトンパウダーを調製し、0.1M酢酸緩衝液pH5.0で抽出し硫安0.8飽和で粗酵素を沈澱させSephades G-25カラムを用いて脱塩し凍結乾燥したものを粗酵素とした。 3 フィターゼの精製 粗酵素をロトフォアによる等電点電気泳動にかけてフィターゼ活性画分を集め、今回購入のマイクロアシライザーによりアンフォラインを除去し、さらにDEAE-Sepharoseを用いた陰イオン交換クロマトグラフィーにより四つの活性画分が存在することが判ったが、実際に食品に利用する場合には粗酵素の形で用いる方が適当であると判断した。 4 食品への利用 高繊維高フィチン酸食品素材として、米糖、小麦フスマについてそれぞれ200mgを9mlの0.4M酢酸緩衝液(pH5.0)に懸濁し、同緩衝液に溶かした粗酵素液(5mg/ml)を加え、55℃で2時間インキュベートした後フィチン酸量を測定した結果いずれも元の量の20%以下に減少していた。小麦フスマ4gについて同様の酵素処理をした後凍結乾燥した試料を小麦粉に対して1/5量加えたクッキーを作成し、無処理小麦フスマ入りのものと食味を比較したところ大差なかった。以上の結果、高繊維、高フィチン酸素中のフィチン酸をオカラテンペから抽出した粗酵素を用いて効率よく減少させて、これらの欠点であるミネラル吸収阻害を改善できることが判った。
|