研究課題/領域番号 |
05680059
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
科学技術史(含科学社会学・科学技術基礎論)
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
今野 宏 横浜国立大学, 工学部, 助手 (30017785)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1993年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 物理学史 / 量子力学史 / 磁性物理学史 / 電子スピン / アンペ-ルの分子電流 / アインシュタイン-ド・ハ-ス効果 / バ-ネット効果 / 磁気回転効果 / 磁気角運動量比 / ランデの因子 / 原子磁気モーメント / スピン磁気モーメント / 量子力学 / 磁性物理学 |
研究概要 |
本研究の研究成果の概要は、およそ次のようである。 1、まず、磁性物理学の発展と量子力学の成立との、相互に影響を及ぼしあった歴史的過程を研究する導入部として、古典的磁性物理学の歴史を概観した。その結果、磁性物理学が、主として、次の二つの側面から量子力学に接近していったことが認められた。すなわち、 (1)磁性体の磁性の担い手としての電子スピンの発見の過程。 Ampere電流の磁気作用に関する法則、その演繹として、磁性の担い手は分子電流との仮説をたて、のちにBarnettやEinstein‐de Haasらによる磁気回転効果の実験が理論予想に反していたことがスピン発見の一つの契機となった経過。 (2)強磁性自発磁化の説明に成功した Weissの分子磁界仮説から、Heisenbergの交換力理論への過程。 今後、これら2つの歴史的過程の中で、いかに磁性に関する量子的描像がうちたてられていったか、磁性物理学史上の価値ある研究課題として指摘されるところである(物理学史No.7)。 2、上の結果に基づき、電子スピン概念の成立に関わった磁気回転効果の実験の歴史的過程を検討した。その結果については物理学史 No.8に小論として纒めた。 3、東北大学の金属材料研究所は、ちょうど量子力学が成立を迎える時代に創立されている。当時、最も物性物理的性格を色濃くもったこの研究所で、いかにして量子物理学が受容されていったかは、本研究の課題にかなうものである。今回は、当研究所が創立当時に整備した図書の目録を調べた。その結果、当時の量子論の代表的出版物が、発行から時をおかずに購入されている実態が浮び上がってきた。さらに、これらの資料を検討・整理し、機会を得て公表したいと考えている。
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