研究課題/領域番号 |
05680077
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
体育学
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
藤田 和也 一橋大学, 社会学部, 教授 (80017673)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1994年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1993年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 養護教諭 / スクールナ-ス / 看護的機能 / 教育的機能 / 学校保健制度 / 学校保健組織 / スクールナース |
研究概要 |
日米の学校保健制度と機能の比較を行うため、その中心的担い手であるアメリカのスクールナ-スと日本の養護教諭の制度と役割に焦点をあて、スクールナ-スと養護教諭対象のアンケート調査結果の分析(制度的側面の実態の比較=1992年度、彼らの仕事と意識の実態の比較分析=1993年度)、スクールナ-スを対象にしたインタビュー結果の分析、さらにアメリカの学校保健の理論的枠組みとそこにおけるスクールナ-スの位置と役割についての日本との比較検討、などを行った。 両者の制度上の基本的相違は、スクールナ-スは看護職であり、養護教諭は教育職であるという点にある。また、日本では1校1名専任制をとっているが、アメリカでは数校兼務が一般的であるというように、勤務形態における相違も大きい。こうした制度的相違が、両者の学校における役割の違いや仕事の重点の置き方や意識の違いを生み出している。例えば、スクールナ-スはHealth EsteemやIntervention,Health Counselingなどの看護の専門的機能に重点を置き、養護教諭は悩みの相談やMental Troubleを抱える生徒の相談、保健指導や性教育などの、どちらかといえば教育的機能に重点を置いていることが明確になった。そして、こうした違いが両者の学校における実践の構図に微妙な違いを生み出していることがわかった。 学校保健の組織面や健康診断などの制度面では、理論的枠組み共有されてきているわりには、実態的には日本のほうがより整備されていることがかなり明確になった。特に、養護教諭制度、学校健康診断制度、学校医制度、学校内の保健組織などは、日本独自の発展をしているということができ、今後こうした違いの子どもの健康保護と健康教育上の効果の違いを比較検討することが、興味深い課題である。
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