研究課題/領域番号 |
05680121
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人文地理学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
石井 英也 筑波大学, 歴史・人類学系, 教授 (60091881)
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研究分担者 |
小口 千明 筑波大学, 歴史・人類学系, 助教授 (20169254)
田中 圭一 筑波大学, 歴史・人類学系, 教授 (10207087)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 秩父地域 / 景観形成 |
研究概要 |
この研究の目的は、秩父地域の多様な生産・生活を景観形成史的に検討することによって、それらの織りなす秩父地域の構造的特徴を取り出すことである。 本年度は、歴史地理学教室の大学院生とともに、本年度は歴史地理学調査報告第6号として、秩父における共同研究の成果を発表した。前回の報告では周辺山間地域・荒川本流域・赤平川流域の景観形成における地域的差異を指摘した。その後の調査によれば、秩父地域を理解するには秩父大宮の地位や変質の把握が不可欠と考えるようになった。近世に入るとさまざまな点で、農業基盤が劣悪な荒川本流域の方が発展が著しく、とくに大宮が秩父の中心地としての地位を確立する。その有力な理由の一つが絹市の発展であった。しかし、幕末の横浜開港以降、生糸が輸出品になると、その生産中心地は赤平川流域に移り、大宮は相対的衰退を余儀なくされる。明治期の大宮は、商業の再興や織物業などの発展によって、再び秩父地域の突出した中心地に復興する過程なのである。つまり、大宮と他の秩父地域を相対化して観察することで秩父地域をより明瞭に描くことができることが判明した。まだ残された課題も多いが、それらの解明に精力的に取り組み、一冊の本にまとめたいと願っている。
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