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北伊勢自噴帯における地下水の涵養機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 05680141
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 自然地理学
研究機関三重大学

研究代表者

森 和紀  三重大学, 教育学部, 教授 (60024494)

研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワード被圧地下水 / 自噴 / 滞留時間 / 水質進化 / トリチウム / 三重県
研究概要

1.北伊勢自噴帯には約300の自噴井が現存し,その多くは丘陵や段丘・台地に分布する。自噴井の深度の最大値は365mであり,鮮新世から更新世にかけて淡水環境のもとで堆積した奄芸層群が主たる被圧帯水層となっている。これらの自噴井は上総掘りの鑿井技術によって掘削されたものが多く,近年自噴量は減少傾向にあるが,潅漑用水や生活用水として地域の人々の生活になお重要な役割を果している。
2.自噴量の大きい地域は調査地域を東流する中小河川群の中流域にほぼ南北に帯状に分布しており,自噴量の最大値は156l/分,平均値は37l/分であった。実測値より得られた自噴量の平均値が調査地域全域を代表すると考えれば,自噴井の総本数から推計される本地域の自噴量の総量は約9,300l/分(=13,400m^3/日)である。
3.Na^+とHCO_3^-がそれぞれ陽イオンと陰イオンの合計に占めるの比の値は,深度とともに大きくなる傾向が認められ,これらの値が地下水の水質進化,すなわち滞留時間を定性的に表す良い指標となることを示している。本地域においては不透水性ないし難透水性の加圧層が連続して発達する範囲が限られており,このため性質を異にする深さと広がりを持った被圧地下水が広範囲にまとめられて地域特性を表しているものと考えられる。
4.全陰イオンに対するHCO_3^-の比の値の水平分布は,地下水の涵養域が東西の両方向にあることを示唆している。すなわち,西方の山地部から東方の臨海部にかけての地下水の流動に加え,調査地域の東部に認められる背斜軸の周辺域も被圧地下水の涵養域となっており,東から西への地下水流動の存在が指摘される。
5.水質進化の進んだ自噴地下水についてトリチウム濃度から平均滞留時間を算出した結果,最大値は約65年となった。ただし,比較的新しい水の帯水層への局部的な混入を考慮する必要がある地域も存在する。

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 森和紀・杉野祐二: "北伊勢自噴帯における地下水の水質と自噴量[口頭発表]" 日本陸水学会第58回大会講演要旨集. 111 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

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