研究課題/領域番号 |
05680181
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育工学
|
研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
高橋 信雄 愛媛大学, 教育学部, 助教授 (70132719)
|
研究期間 (年度) |
1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
キーワード | 聴覚障害児の語彙 / 言語指導 / イメージ / 概念ネットワーク |
研究概要 |
1、聴覚障害児の語彙の概念構造の特徴を、聴覚障害児数名についてイメージの内化度から見てみたところ、いずれの聴覚障害児においても、準対外的なものが全体の60%前後で、一番よく概念化されていた。次いで、内的なものが10数%であり、象徴的なものはほとんど見あたらなかった。聴覚障害児では、概念は極めて少ないうえに、その構造が極めて片寄っており、視覚レベルに頼ったものが多かった。このため、概念間および、語彙間の関係図は十分には明らかにできなかった。2、読書力等を用いた文理解は、従来低いとみなされてきたが必ずしもそうではなく、応答への指示の理解が不十分なために、低得点にとどまっていることが明らかになった。これは、健聴小学生のみならず、健聴大学生でも小学生レベルの得点しかとれず、聴覚障害児と全く同様の傾向を示した。また、文理解の際の名詞以外の語の概念化が不十分なために、概念や項目間の関係図が十分に把握できず、誤りが多くなったものと推察された。3、故に、語と語ないしは、概念間の関係をネットワーク的に示すことばの指導の重要性が示唆された。助詞のみならず、聴覚障害児が持っている概念をベースにした、言語指導用のコンピュータプログラムによる指導は、期間が短く十分な効果が望めなかったが、関係図を視覚的に確認できるメリットは大きかった。今後、更なる概念の構築とそのための言語指導プログラムの幅広い適用が期待される。
|