研究課題/領域番号 |
05680205
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教科教育
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研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
吉田 淳 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (90115668)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1994年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 教科教育学 / 学習活動の分析 / 認識活動 / 心理生理的活動 / 事象関連電位 / 意味受容 / 情報処理 / 教科学習 / 認知 / 脳波(ERP) / 脳波 |
研究概要 |
教科教育のあり方を考察する視点は、教科教育の目的・目標に関する視点、教科区分と内容構成に関する視点、学習指導における単元構成・授業構成と教育実践に関する視点、教科教育における評価に関する視点があげられる。これらの視点は、一人の子どもがどのような学習活動を発展連続させ、どのような概念を構成するかという研究から検討されなければならない。すなわち、学校教育の教育課程では、人類が構築してきた文化とその発展、社会の構成者としての資質能力の育成を目標としている。また、具体的な教育活動では、対象についての認識活動を繰り返しながら、子どもの発達成長を図る接点が授業である。 本研究では、学習活動を子どもの認識活動とその発展という視点から考察することを目指して、まず、教科目標と子どもの発達の関連、子どもが対象をどのように捉えるかをイメージの役割から考察した。次に、子どもの認識活動をミクロな情報処理活動を考え、そのときの心理生理的活動、特に、脳波における事象関連電位(ERP反応)の変化から、子どもの情報の受容・処理の初期段階の解析を試みた。 研究方法:大学生を被験者として、意味情報や画像情報を提示したときのERP反応を分析した。被験者に対して同一又は同種の情報(提示時間:400ms)を30回繰り返し提示した。解析の視点は、(1)清音2音節単語(同一単語)の有意味性に対する注意とERP変化、(2)清音2音節単語(同種単語)の意味関連性に対する注意とERP変化、(3)画像(昆虫の写真)に対する注意とERP変化である。ERP反応の分析の視点は、N200、P300、N400などのERP反応ピークにおける反応時間と反応強度(電位差)である。 結果・考察・清音2音節単語の有意味性では、同一単語群(1)の有意味性においては、低意味性単語群と高意味性単語群に反応時間においてはほとんど差異が見られないが、反応強度では高意味単語≧低意味単語の傾向があった。意味関連性(2)についても同様な結果が得られた。また、同一単語群と関連単語群の比較では、反応時間において関連単語≧同一単語、反応強度では実験群が同一単語≧関連単語に対して、統制群では、同一単語≦関連単語の傾向が見られた。画像(3)に対するERP反応は、意味情報の場合よりも反応強度は小さく、意味情報よりも複雑な受容・処理を行っていると考えられることが明らかになった。
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