研究課題/領域番号 |
05680212
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教科教育
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研究機関 | 奈良教育大学 |
研究代表者 |
伊東 治己 奈良教育大学, 教育学部, 助教授 (90176355)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1994年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 教科書分析 / 基本構文の学習 / 基本構文の出現頻度 / 基本構文の出現順序 / 出現頻度と出現順序の相関 / 実証的研究 / 定着度のゆれ / 中学校英語 |
研究概要 |
前年度の英語基本構文定着度調査からは、構文的には同じ種類に含まれる問題文であっても、主語ならびに述語動詞のチャンク(文型構成要素)に含まれる内容語の種類や性格によって、その問題文の定着率に大きなゆれが生じてくることが判明した。つまり、英語学習入門期の段階においては、基本構文の定着度が構文特性(主語・文形・動詞の種類)だけでなく、主語ならびに述語動詞のチャンクに含まれる内容語の目新しさによっても大きく左右されることが分った。本年度の定着度調査においては、主語ならびに述語動詞のチャンクの中身の変化をより厳密に制御することによって、基本構文の教科書の中での出現状況とその定着度のゆれとの関係の実態に迫った。具体的には、チャンクの多様化(基本構文自体の長さは変化しないが、主語あるいは述語動詞となる内容語があまり教科書では出現していない場合)と、チャンクの拡大(主語あるいは述語動詞のチャンクで使用される内容語自体は比較的教科書で頻出しているが、特に主語のチャンクが2語以上の単語によって構成されることによって基本構文自体が長くなっている場合)にわけて、前回とほぼ同じような手順で基本構文の定着度を測定した。その結果、チャンクの多様化よりも拡大の方がより多く基本構文の定着度のゆれに貢献していることが判明した。このことは、入門期の学習者にとっては、基本構文の構成要素(つまり主語や述語動詞のチャンク)の中身(特に内容語)の変容よりも、チャンクの拡大に伴い基本構文それ自体が長くなってしまい、結果的に基本構文の構成要素の数と基本構文を構成している語彙項目の数が大きく食い違ってくる事のほうが、基本構文を理解する上での大きなハードルになっていることを示唆している。ということは、このハードルを乗り越えることこそが英語基本構文習得の鍵となっていると結論づけられる。
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