研究概要 |
1.代替法試験のデータ解析のために、7種類の代替法(NR,CF,CV,MTT,LDHなど)によるED_<50>推定法を吟味した。量反応曲線としてはロジット曲線を用い、推定法としては吸光度に非線形最小二乗法を適用し、ED_<50>を区間推定することが適切である、ということを明らかにした。実際の算法をSAS及びC言語で算譜化し、代替法学会バリデーション研究委員会が集めたデータに適用した。結果としてこの7種類の代替法の性能評価が可能になった。 2.in vivoで行うドレイズ目刺激性試験の結果を、in vitroの代替法で予測する予測式を検討した。化粧品に使う界面活性剤のデータに、自由度2重調整済み重相関係数を規準とした変数選択法を適用し、二つの代替法(CAM,log{NR-EC_<50>})が予測に有効であることを示した。 3.小核試験とAmes試験の背景データを吟味し、背景データは施設間差が無視できないこと、試験条件に標準化の余地が大きいことを明らかにした。 4.卵巣癌のデータを解析し、判別には、変数変換や再標本化法が有効であると同時に、事例の医学的側面を取り入れて判別を行うことが重要であることを示した。 5.第4相臨床試験データの解析には、系列相関を入れたモデルや混合モデルを用いることが妥当であることを、事例研究を通して示した。 6.前臨床試験では、検定という手法よりむしろ推定あるいはモデル選択という手法を用いて、薬物のプロファイルを表現することが重要であることを示した。
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