研究概要 |
分散処理システムではプロセッサ間を結合するネットワークの構成,プロセッサ間の効率のよい通信プロトコルの設計,プロセッサや通信路の故障に対する耐性,各種問題の効率のよい分散並列アルゴリズムの設計等が重要であり,過去1年間これ等の問題を中心に研究を行ってきた。特に分散システムにおけるブロードキャストでは,ネットワーク上の故障したプロセッサや通信路の数とブロードキャストを完了するのに必要なステップ数の関係を明らかにした。この結果をまとめた論文は国際学術誌のJournal of Parallel and Distributed Computingに掲載が決定している。分散処理ネットワークの各種のトポロジーとその構成法に関しては情報処理学会アルゴリズム研究会で発表した。また,これに関連した基本問題として重要なネットワークの埋め込み問題とネットワークのスパナーに関する研究結果を現在まとめている。分散処理アルゴリズムとして,最短経路の並列アルゴリズムの研究を行った。抽象的な並列モデル上のこの問題のアルゴリズムはInternational Conference on Parallel Processing,St.Charles,U.S.A.1993年8月)で発表し,網状結合ネットワーク上のこの問題のアルゴリズムは情報処理学会アルゴリズム研究会で発表した。さらにロボット運行問題については電子情報通信学会の英文論文誌に2編掲載が決定している。分散システムにおけるシンクロナイザ,パケット配達,トークン分配,負荷平衡,仕事割り当ての問題に関しても研究を進めている。まだ論文としてはまとめていないが,近く結果をまとめて発表する予定である。
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