研究概要 |
研究成果の概要は以下の通りである. 1 定性的な集団構造の挙動解析 集団画像の中からヒストグラム逆投影法によって,特定のチームに属する選手の分布可能性画像を計算し,これにスケールの異なるガウスフィルタを畳み込んで,様々な規模の選手の集団を作成する.この作業をそれぞれのチームについて行い、選手グループの階層構造,相互関係を表す定性的な状態表現もとめる.この表現の時間的な変化を,集団間の関係の遷移として解析し集団の挙動を解析する手法を明らかにするとともに実験例を示した. 2 選手の行為の定性的解析による行為の解析 選手のプレーの様子を撮影した時系列画像の選手部分を2値化し,その時系列画像をx-y-tの3次元空間と考え,時間的連続性を保ちながら細線化を行うためのアルゴリズムを考案した.つぎに,そのなかから交点や分岐点などの特異点を検出し,選手の行う行為の特徴的変化点を検出する方法について実験を行った.又、特異点間の相関を取ることによって,周期性をもつ動作を検出する方法についても検討を行った.さらに,相空間における解析を行い,運動の種類によって,相空間における固有の軌跡が得られることに着目し,識別する方法も提案した. 3 Active Netを用いた特定チームの選手の領域抽出 これもヒストグラム逆投影法を用いて特定チームに属する選手の存在分布画像を用いるが、ここではこれに対しActive Netの手法を適用し特定チームの選手だけを検出する方法を考案した。またActive Netの手法ではパラメータの制御の仕方によって形状の抽出能力や、収束性が変化するが、この性質を自動的に調整する方法を提案するとともに、分裂化することで凹凸の激しい物体や複数物体の検出が可能になることを示した。 1)はIEEEの国際会議および画像の認識と理解に関するシンポジウムで発表された、2)は電子情報通信学会の全国大会で発表、3)については電子情報通信学会誌に掲載された。
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