生産計画における意思決定は、計画の目的によって、計画対象の範囲や決定に内容も異なる。この計画時点では十分な情報を持ち合わせていないまま意思決定しなければならない。他方、下位レベルでは、このような不十分な情報でなされた意思決定を制約として計画されることになる。 本年度の研究実績は次の通り。 (1)意思決定メカニズムを明らかにするため、部品加工と製品組立の2段階製造工程において月間計画と週間計画の2段階層生産計画モデルを構築して、需要情報の精度、計画サイクル、フィードバックの方法によって製造のパフォーマンスがどのような影響を受けるかを明らかにした。その結果をもとに、生産計画の意思決定支援システムのプロトタイプを提案できた。 (2)製造システムに柔軟性を与えるために、部品に共通性がある場合、工程に共通性がある場合に、(1)で与えた意思決定条件のもとで製造パフォーマンスがどれだけ改善できるかを明らかにした。すなわち、製造パフォーマンスを評価する尺度として、段取替比率と複数工程間の負荷アンバランスを取り上げ、部品と工程の共通性の相関関係を明らかにした。
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