研究課題/領域番号 |
05680350
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会システム工学
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研究機関 | 東京都立商科短期大学 |
研究代表者 |
日下 泰夫 東京都立商科短期大学, 経営学科, 教授 (40096699)
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研究分担者 |
鈴木 久敏 筑波大学, 社会工学系, 教授 (10108219)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
500千円 (直接経費: 500千円)
1993年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 新製品普及 / 技術進歩 / 市場 / 助成政策 / 普及率 / 混合生産 / 新製品価格設定 / 線形モデル |
研究概要 |
本研究では、社会的な観点から早急な普及が望まれる新製品に対して、その普及メカニズムを技術進歩、市場、公的助成政策の観点から明らかにするモデルを、文献調査を踏まえて構築し、解析した。具体的には、技術進歩の生産特性と市場特性を考慮して、新製品の普及の趨勢を把握する線形モデルを構築した。この際、「産業は、従来製品と新製品の混合生産から得られる利益を最大にするように各時点の新製品の価格を定める」という状況を想定した。解析を通じて、(1)新製品の設定価格の変化と普及の動向は、技術進歩による新製品の等価的変動費の低減と上限価格の時系列的変化との関係によつて定められること、特に、穏やかな仮定の下で、新製品の普及率は単調に増加することを明らかにした。ついで、新製品の普及を促進する価格および技術開発助成政策の経済的効果を検討した。ここでは、(2)価格助成政策の実施に伴い新たに産業に発生する利益を見極め、利益が発生する場合には差額助成の考え方に従いそれを新技術普及本来の目的に柔軟に還元するしくみを組み込むことが重要であること、および(3)穏やかな仮定の下で、技術開発助成政策を考慮した場合の普及率が、それを考慮しない場合の普及率を上回ることを明らかにした。最後に、本モデルを新製品に固有の潜在需要が存在し、かつ普及率が非線形関数で与えられる場合へと拡張し、若干の考察を試みた。ここでは、(4)新製品に固有の潜在需要が存在する場合と存在しない場合の設定価格の大小関係と、これらの設定価格における普及率の大小関係との間に、対応関係が存在することを明らかにした(次頁記述の論文に掲載)。既存製品と競合し得る新製品価格を新製品普及の現状を踏まえて設定するための現実的、弾力的な助成方策の提案が今後の課題となろう。
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