研究課題/領域番号 |
05680411
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
エネルギー学一般・原子力学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
柴田 裕実 東京大学, 原子力研究総合センター, 助教授 (30216014)
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研究分担者 |
吉田 陽一 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (50210729)
田川 精一 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (80011203)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1994年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1993年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 高エネルギーイオンビーム / 放射線照射効果 / 高分子薄膜 / 発光スペクトル / ポリシラン / イオンビーム照射 / 放射線化学 / 高分子 |
研究概要 |
これまでレジスト材料である典型的な高分子薄膜に対する高エネルギー・イオンビームによる照射効果の研究を行い、γ線や電子線照射では見られない著しい線質効果があることがわかってきた。それらの現象は固体の表面及び内部での化学反応によるものであるが、その発現機構は未だ解明されてはいない。高エネルギーイオンビーム照射による化学反応には主鎖切断、架橋、炭素化、アブレーションやスパッタリングなどが起こっており複雑な過程を示す。これらの現象の解明には照射中の吸収・発光の測定が必要とされているが、イオンビームによる時間分解吸収測定は極めて難しいので、発光についてのみ時間分解波長スペクトル及び発光寿命などの測定行った。その結果、過渡的な生成物についても著しい線質効果があることがわかった。 平成5年度は主にポリシラン高分子薄膜に対する高エネルギー・イオンビームの照射を行い、生成物分析、光伝導度の測定や照射中に放出される光スペクトルの時間変化を調べ、照射によって過渡的に分解、生成する励起状態やラジカルの挙動を研究した。平成6年度は極低温照射装置を導入し、室温から30Kの極低温まで試料の温度を変えたイオンビーム照射が可能となったが、極低温にすることにより試料に微量に含まれる不純物の照射効果が顕著に現れるようになった。このため、試料作りが極めて重要になったのであるが、現時点での技術では微量の不純物を除去するには至っていない。しかし、温度変化による照射効果を調べることは照射による構造変化を調べることになるので室温付近であっても重要な知見を与えてくれる。例えば、ポリジヘキシルランは315K付近で構造変化を起こすがイオンビーム照射によってもその前後で発光スペクトルに著しい変化が現れることがわかった。以上のように本研究では種々のポリシラン高分子薄膜にイオンビームを照射し、その構造変化を調べることにより、イオンと物質の相互作用を明らかにしてきた。
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