研究課題/領域番号 |
05680412
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
エネルギー学一般・原子力学
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
安 俊弘 東海大学, 工学部, 助教授 (10201906)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1994年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1993年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 放射性廃棄物 / 地層処分 / 安全評価 / 核種移行 / 岩盤 / 亀裂 / パーコレーション / 分散現象 / フラクタル / 岩盤亀裂 / パーコレーション理論 |
研究概要 |
初年度において、岩石空隙に浸潤する樹脂により初成割れ目を確定した後、試料をスライスして断面に現れた樹脂を含む亀裂像を撮影することにより、岩石試料中の亀裂の分布測定を行った。また、得られた断面像をコンピュータにより再構成して、3次元像を得る手法を開発した。これに基づき、ネットワーク内部における物質移動をランダムウォークによってシミュレーションした。2年度(最終年度)においては、これらの手法の確立と、得られた知見を基に、本研究で開発された手法の実際の放射性廃棄物処分安全評価への適用について考察を行った。 その結果、本計画開始当初、想定されていたように、処分場建設による乱れのない岩盤、いわゆるファーフィールドにおける放射性核種の移行に対して、本手法を適用するよりも、むしろ、処分場近傍の岩盤に対して適用するほうがより効果的であり、安全評価上も、より有意義であることが判明した。 すなわち、(1)亀裂ネットワークを再構成し、そこにおける放射性核種移行を解析するためには、ある程度限定された領域において十分な量の情報を得ることが必要であるが、そのような情報を取得できる可能性のあるのは、処分場建設に伴い掘削される空洞とその周辺領域である。(2)最近の、人工バリアに対する詳細な性能評価の結果によれば、人工バリアを適切に設計することにより、人工バリアから漏出する放射性核種に対しても、高々数10メートルの岩盤を天然バリアとしてその周囲に見込んでおけば、十分低い毒性に低減できる。(3)そして、そのような領域は、まさしく(1)で考えられたような人工バリア周辺の領域である。 本研究により得られた手法と上記のような知見に基づき、亀裂ネットワークモデルを用いた詳細な人工バリア周辺領域の性能評価によって、高レベル放射性廃棄物処分システムの安全評価に大きな進歩をもたらすものと期待される。
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