研究概要 |
本研究では,新たな騒音評価法を確立するために,我々が独自に構成した「うるささ」・「色相」尺度と等価騒音レベルとからなる騒音評価尺度をカラー液晶ディスプレイ画面上に二次元表示する「うるささ」・「色相」騒音計を開発し,標準的な評価量として利用できるかどうかを,国内各地で検証した。具体的には,研究期間中に札幌市,青森市,盛岡市,福島市,宇都宮市,東京都,金沢市,広島市,山口市,下関市,高松市,福岡市,および佐賀市において,合計735名の地域住民を対象として現場視聴実験を行った。ここで得られた本騒音計の評価に対する主要な結論をまとめると以下のようになる。 1.「うるささ」尺度に関して99.7%の人達は,「うるささの程度表現語は,騒音による心理的影響の程度をよく表している。」と答えている。 2.「色相」尺度に関して97.8%の人達は,「5色の配列は,騒音による心理的影響の程度と合っている。」と答えている。 3.「うるささ」・「色相」騒音計に関して84.2%の人達は,現行騒音計よりも聴いた騒音の心理的影響の程度が「よくわかる」以上であると答えている。 4.本騒音計による測定結果に関して80.3%の人達は,感じた心理的影響の程度と「合っている」以上であると答えている。 5.生活環境を保全し,人の健康の保全に役立てる上で,維持されることが望ましいと感じる等価騒音レベルの平均値は,49.0 dBである。 以上の結果から,「うるささ」・「色相」騒音計は,日本国内で騒音の標準的な評価量として利用できることが明らかである。
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