研究課題/領域番号 |
05680465
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境影響評価(含放射線生物学)
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
瀧本 晃一 山口大学, 農学部, 教授 (00115875)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | radiation / protons / mutation / transversion / DNA sequence change / E.coli / crp gene |
研究概要 |
電離放射線による誘発変異の分子レベルでの知見は、X線やγ線など低LET放射線についていくつか得られているが、高LET放射線に関してはほとんどみられない。生体に入射した時の初期物理的過程の違いから、変異スペクトラムに特異性がみられることが考えられる。本研究では、ブラックボックスになっている荷電粒子による誘発突然変異を塩基配列のレベルで調査し、低LET放射線で得られている変異スペクトラムと比較検討した。サイクロトロンから得られる30MeVの陽子線を、大腸菌cAMP結合たん白(CRP)遺伝子を組み込んだプラスミド水溶液に照射したのち、crp欠損大腸菌KY30に導入し、crp野生型に戻らなかったクローンを単離した。このクローンはプラスミドのcrp遺伝子が変異によって活性を失っている。変異プラスミドを抽出精製し、酵素処理と電気泳動で構造的変化を調べたのち、crp遺伝子全体約1kbの塩基配列を解析した。49この独立変異クローンを調べたうち、45このクローンに49の塩基配列の変化(変異)を検出した。3つの変異クローンには遺伝子上の2か所に塩基置換が、さらにそのうちの1クローンには長いDNA断片の挿入があった。また、別の1つのクローンでは長い欠失が認められた。フレームシフトは3クローンで検出された。塩基置換は44であった。塩基置換の45%はG:C→T:Aの変化であり、G:C→C:GとA:T→T:Aを合わせるとtransversion型塩基置換が80%であった。一方同じ標的遺伝子について調べたX線誘発変異では、G:C→A:Ttransitionが76%で、G:C→T:Atransversionは13%であった。荷電粒子と電磁波放射線の変異スペクトラムの間に大きな違いがみいだされた。G:C→T:A塩基置換の原因を陽子線照射によって生じた8-hydroxyguanineのadenineとのmispairingとすると、荷電粒子ではOHラジカルの収率が電磁波放射線より高く、放射線の間接作用の寄与が大きいことが、変異スペクトラムに違いをもたらしたものと考えられる。
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