研究課題/領域番号 |
05680470
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境影響評価(含放射線生物学)
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研究機関 | 国立環境研究所 |
研究代表者 |
藤巻 秀和 国立環境研究所, 環境健康部, 室長 (00124355)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | アレルギー / 大気汚染 / NO_2 / DEP / IgE / IL-4 / iL-4 |
研究概要 |
本研究は、最近のアレルギー性鼻炎、気管支喘息などのアレルギー性疾患の増加に大気汚染物質暴露がどの程度関与しているかを評価するための知見を得るために行われた。主に、ディーゼル排気粒子(DEP)とNO_2に着目し、DEPにおいては気管内投与と点鼻投与を行いIgE抗体産生系にしぼって検索し、NO_2暴露では肥満細胞活性にしぼって検索した。 DEPの作用としては、すでに腹腔内投与と点鼻投与により血中の抗原特異的IgE抗体産生の増強作用が報告されていたが、本研究では、その影響機構に投与部位に近接のリンパ節細胞の増強反応の増加、インターロイキン4産生の増強が関与していることを明らかにした。また、これまでに抗原のエアロゾル投与や点鼻投与により頸部リンパ組織での抑制性T細胞によるIgE抗体産生の抑制、あるいは不応答性が誘導されることが報告されていたが、DEPなどの物質が抗原と共に存在することによりこの抑制系の誘導が影響をうけた可能性が示唆された。 NO_2の作用では、低濃度3ヶ月暴露により、モルモット肺肥満細胞からのIgE抗体刺激によるヒスタミン遊離の亢進がみられたが、ラット肺肥満細胞では亢進はみられなかった。ヒトの肺肥満細胞の分布がラットよりモルモットに似ているので、モルモット肺肥満細胞の検索は、ヒト肥満細胞へのNO_2暴露による作用をみるための外挿に重要な知見をあたえると考えられる。 インターロイキン4のようなサイトカインを影響指標としてとらえるための研究は非常に少なく、これからの多くの研究でその位置づけが高まり、鋭敏な指標として認められることを期待している。
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