研究課題/領域番号 |
05680510
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物有機科学
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
伊原 博隆 熊本大学, 工学部, 助教授 (10151648)
|
研究分担者 |
永岡 昭二 熊本大学, 工学部, 助手 (10227994)
坂田 眞砂代 熊本大学, 工学部, 助手 (60187391)
平山 忠一 熊本大学, 工学部, 教授 (10040429)
|
研究期間 (年度) |
1993 – 1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1993年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | 脂質膜 / 分子膜 / 超分子集合体 / アミノ酸 / 不斉選択性 / 膜透過 / 円二色性 / 光重合 / 相分離 / 光学活性 / ゲル / 光応答性 / 不斉 / 配向 / 重合性脂質 |
研究概要 |
有機溶媒中で脂質膜類似の配向性集合体を形成しうる新規な人工脂質を開発するため、各種のL-グルタミン酸誘導体を合成し、有機溶媒中での分散挙動を調査した。また、光重合による機能の固定化を図るため、L-グルタミン酸誘導体中に重合性官能基を導入し、その分散挙動についても調査した。さらにこれらの新しい脂質膜の機能についても調査した。以下に本研究で得られた結果を要約する。 1)L-グルタミン酸のアミノ基と2個のカルボキシル基の反応性を利用し、前者にフェニル基やソルビル基のような頭部を、また後者に長鎖アルキル基を有する脂質を合成した。 2)頭部および長鎖アルキル基がアミド結合によって導入された脂質においてのみ、そのベンゼン溶液がゲル化されることを見いだした。コンピューターシミュレーションにより、3個のアミド結合によって理想的な分子間水素結合が形成されることを明かにした。 3)頭部にソルビル基を導入した脂質はエタノール中で配向性分子集合体を形成し、大きな光学活性を生成することが明かとなった。この光学活性は、ソルビル基間のキラルな相互作用によって発現される。 4)この脂質にUV光を照射すると、ソルビル基の速やかな消失が観測された。サイズ排除クロマトグラフィーにより、ソルビル基の消失は主に二分子間での縮合反応であることが判明した。また縮合後も、縮合前の配向性を維持していることを、示差走査熱量分析などによって確認した。 5)以上の新規な脂質膜を利用し、アミノ酸誘導体の不斉選択的輸送現象について検討した。その結果、フタロイル誘導体において、有意の不斉選択性が発現することを確認した。
|