研究概要 |
アメリカ産の西洋イチイおよびニチニチ草の植物体よりカルス(未分化の細胞集団)を誘導し,それぞれのカルスの培養系を確立した。更には、これらのカルスにアグロバクテリウムのT-DNAを導入し,それぞれの形質転換体細胞を作出した。 次に、これらの形質転換体細胞を使って以下の事実をみい出した。 【.encircled1.】イチイの形質転換体細胞はタキソールの前駆体であるデアセチルバッカチン(III)を大量に生合成している。また、この細胞はタキソールを数パーセントの割合で生合成している。これらのタキソールの検出はELISA法を用いて行なった。 【.encircled2.】形質転換体ニチニチ草培養細胞は光条件下で種々のインドールアルカロイド,特にセルプンチンを生合成する。また,ビンドリンをこの細胞系に投与すると,抗ガン作用のあるビンクリスチンとビンドリンへ変換することがわかった。
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